* KING *
なんだか このターンの撮影は疲れた。

今はちょっとした休憩。圭さんがお茶を買って来てくれ ほっと一休み。


「杏 撮影は楽しいでしょ?」


う~ん、楽しいのかこれ?


「圭さん、先輩がイチイチ私の時に チャチャ入れるとか あり得なくないですか?」

「そうね、凱人も大概ね。そうやって杏の事を自分だけで独占しようとしてるのが、あざといのよ。嫌だわ…」

「先輩の性格がますますわからない。」

「いや、ナチュラルにシンプルでしょ?」


ナチュラルにシンプル?どこが?


「あ~、杏は恋に不慣れだから わからないか…。ある意味、不器用な男だわ。」


「先輩が不器用?圭さん何か間違えてません?不器用には 縁遠い人で、先輩は何でもさらりとこなす スマートな大人だと思うんですが…。私の印象は間違いだらけなんでしょうか?」


「そうね、凱人は器用だけど、人に対しては不器用よ。完璧に騙せられるのは一部の人だけ。まぁ心を開くのは 皆無だと思ってたの私…」


圭さんでも心を見せないとか、一体何が先輩を縛り付けているのか…私には到底先輩がわからないのだった…


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