* KING *
今日は朝から気合いが入っている。前に体験して申し込んだ スィーツ教室の予約が入っているから。

あれからバタバタと忙しく、中々予約の目処も立てずにいたから、ちょっとテンションが上がっている。


「杏 今日朝からお前どうした?」


ご飯を食べている時に 先輩にもわかる位 私わかりやすいのかな?


「いえ今日は残業なしで、お願いしますね。用事があるので速攻帰ります。」

「へぇデートか?」

「用事=デートってセクハラ紛いな発言はどうかと思いますが?」

「ちっ…」


舌打ち1つで会話終了。
だけど今日は 何時にも増して私はへこたれない。先輩は無視するんだから。


「早く帰って来い。飲んで待ってる。」


また そんな哀愁漂う言葉で惑わすとか…


「仕方ないですね。用事終わったら連絡入れます。」


精一杯のひねくれた言葉で返す私は 素直ではなく全然可愛くない。急いでご飯を食べて席を離れる。


先輩がその様子をじっと見てた様だけど、照れた顔を見られたくなくて 自分の部屋に着替えに行った。



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