* KING *
エントランスに行くと、柚ちゃんと竜野君と後知らない男の人が待っていた。

「柚ちゃんお待たせ。あれ竜野君?」

「タッキーも一緒に行く事になったんだ。」

「杏果、俺らもランチ一緒させて。四人予約入れたから行こうか?それとこいつは横山。俺と同じ広報だよ。」

「安藤さんよろしく。」

「横山君、よろしくね。」

「もう、みんなして私を無視?」

「柚ちゃん、私は柚ちゃんがいないとダメなんだから、拗ねないで!」

「///また、そんな嬉しがる事を言う…」

「柚っちいいなぁ。杏果に好かれて!」

「私は柚ちゃんも、竜野君も好きだよ。」

「///またまたリップサービス過多だな。」

「///うふふ…。」

「///これが噂のホワイトスマイルか…強烈にくるな…。」

「横山良かったな。中々声掛け普通に出来ないだろ?」


予約をしてくれていた店で席に座ると、横山君がポツリと言う。


「噂で朝のスリーショットが見れたら その日ラッキーな事があるって。」


「何それ?よっこ誰が言ってたの?」

「見た人と今日は俺も見た。エントランスで百瀬さん、安藤さん、竜野の3人。揃って話してる姿 半端ないオーラがあって眩しいし綺麗なんだよ。周りの空気まで浄化されてる感じ?」

「なるほど、最近安ちゃん更に綺麗になったってパターン室でも話てたんだよ。」

「ただ一緒にいるだけなのに、みんなおかしいね。」

「いやカタログ写真見せて貰ったけど…鼻血出してた先輩いたから…。」


大袈裟な…鼻血とか盛り過ぎでしょ?


「え~いいな…私もタッキーと安ちゃんの 新製品のカタログ写真見てみたいな…」

「あれ実際側で見てたけど、杏果はヤバい。目の保養をとっくに越えて、あれ犯罪レベル。」

「お前、役得だな。安藤さんとのツーショットもあったんだろ?」

「ああ。だけど百瀬さんが美味しいところばっかりかっさらってたな。」


ランチを食べながら、撮影中の事を思い出していた。先輩が 素敵過ぎる事。私はあたふたしていただけで 全然イケテなかった。


「ねぇ安ちゃん、百瀬さんがフランス行くって噂本当なの?」

「うんそうだよ。百瀬さん出向しちゃうんだよ…(私を置いて…)。」

あっ…もうみんな知っているんだ。地味にじわじわと先輩のフランス行きまでの日にちが迫って来ている事が 苦しくなるばかりで、お昼のランチは味が全くしなかった…


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