* KING *
「それで、この店で買う予定の物って何なんですか?」

「それは お前に任せる!」


訳がわからない買い物に、クイズ形式の謎かけに困惑…。


「やだ先輩、買い物するのがない場合はどうするつもりですか?」

「買い物自体はある。お前と俺のお揃いの物。家にあるカップやコップを新調したいんだ。」


人が聞いたら誤解する確実に…先輩はたまに いや毎回私が勘違いする言葉ばかり言う。

狙っているの?わざと言って こっちのあたふたする態度を影で見てるんじゃないかと、勘繰ってしまうほど…。

あ~まただ。あれやこれや考え いやいや違うと 一周回って落ち着く答えなんか、難しくもなくシンプルなのだ…。


「私、これがいいです。」


「ん?俺もこれがいいと思ってた。」


ズキュン///かなり来た…致死量。
甘い猛毒をお見舞いされ ヘロヘロの私の魂は、天へと召還されたのであった。


────なんて訳もなく、平常心の演技を習得した今、悪魔な囁きは一切スルーと決め込み、クールな態度と惜しみ無い笑顔の仮面で疲れ過ぎる買い物を無事に終えるのであった…


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