* KING *
朝 部屋に入るなり

「圭おはよう。俺が行くまでにフランスとここのSkypeが繋がる様に セッティングだけはしてくれよ。杏が困った時に 俺に連絡したいと昨日泣いたんだ。」


は?何でそうなる?


「嫌だわ。杏がそんな我が儘言うはずないじゃない。もう素直じゃないんだから…だけど、連絡直ぐに取れる様に セッティングは任せて!」

「だってさ。杏良かったな…あっ、顔も見れる様にだぞ。声だけだと電話と同じだからな」

「はいはい。うざい注文が多いのね。」


でも、毎日先輩の姿が見れるとか…やっぱり嬉しい。ちょっと顔が笑っていたのか…


「杏は隠れてニヤついてるの?二人して嫌だわ。あ~私フランス行くのやめようかしら?」

「おい、それはないだろ?」

「もう嘘よ。凱人そんなに焦らなくっても。アハハ…ちゃんと杏連れて行くから大丈夫よ。」

「ったく。頼むよ…」


圭さんと先輩の話では はっきりと私の仕事は何をするのか 聞いていないけれど…

正直、フランスで私は何をするんだろうか?それと圭さんが無理に私を推した感じがするのは気のせいではないんだと思う。

それに 圭さんの会社での立場は何故か 上層部より上のような気がする。


私は何も教えてもらえないのが、すごく寂しいと思った…


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