* KING *
私は色々と工夫をし 今の現在の姿が完成している。

本名は安藤 杏果ではない。
安藤 ベル 杏果。
私は父親が日本人 母親がアメリカ人のハーフだ。
目はアイスブルー、髪はブロンドと見た目ほぼ外人だとわかる。

だから本当の姿だと 誰だかわからない人になる。小さい頃は素のままで生活していた。

物心が付いた頃から 自分が他の子と違う事に気付き その頃から虐められる様になった…

中学生の頃になると、体も成長し性的な目で見られる事もあり、コンプレックスである見た目との嫌なコラボのせいで、かなり陰な性格が出来上がってしまった。

私は自分を消した…

目はカラコンを入れ髪も自然な色に。全てダークブラウンに…

だから 少し目鼻立ちのはっきりした日本人になりきっているつもりだ。

だけどスタイルだけは 隠すのは難しい。今は私服なので色々出来るが 学生の時は制服着用なので、まずバレる。

背も168㎝と少し平均より高く、手足が人より少し長いだけで、何だか目立つ…。

問題は胸だ…。厭らしい目で見られる事が多く、既に学生の頃から 更級にはお世話になっている。

性格は暗いのだか体目当てなのか、男子に良く告白され、女子のやっかみが強くあり、友達が出来なかった…中、高校とそんな悲しい思い出しかない。


だけど、高校の入学式で見た先輩は 私の中でキラキラとして輝く存在で…世の中にはあんなに綺麗なのに、私とは全然違う人がいるんだと、羨ましくもあり尊敬すらした。


そんな私には夢があり、その夢の第一歩として、高校卒業後は服飾の専門学校に行く事にした。

普通の枠からはみ出る事が大好きな仲間に囲まれて 〝 個性が大切 〟という 私の殻を破る環境の中で 少しずつ人に対する壁が薄れた。

だけれど…また社会人になっても 人との接触で不具合があったりする訳で…

今の会社の前の職場で、私は弾かれた。個性として私の見た目を認められずに 個人だけでは収まり切れない 仕事でわざと失態させる同僚、データーの改竄や削除など、社会人としてあってはならない行動を起こす人達に、精神的に心は折れ 今の会社に転職した。

また私は自分を消して…



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