* KING *
あれから、先輩はきっちりと私のマンションまで送り届けてくれた。

先輩のマンションから私のマンションまでは本当に目と鼻の先程の距離に有ることに驚く。すごくご近所さんで 丁目が違うって位で、駅が違ったから会わなかった様なものだ。

私が先輩と同じ最寄り駅でも目障りじゃないのなら、駅を変更しようかと思う。次の駅は急行も止まり 早く会社に行く事が出来るから…

「先輩送って頂きありがとうございます。それと 本当に素敵なお部屋に招待して頂き 幸せでした。また是非 寄らせて下さい。失礼します…」

「ああ、お疲れ。また来いな杏…」

///えっ…今何んて?スタスタと帰って行く先輩の後ろ姿を呆然と見ながら、先輩はズルい…私の心だけが いつも置き去りにされてばかり…


…だから嫌なんだ。
また先輩の事を好きになってしまった…




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