* KING *
あれから 先輩と一緒に作業する機会が増えた。

「来週の会議で 新しいデザイン画とこの前のサンプル数点を発表する。お前デザイン画描けるだろ?数点、そうだな…杏が着たい服を仕上げろ。」

「え、いきなりですか?イメージなしですか?私の世界100%でOKなんですね///」

「ああ そうだ。ハハ…何だか嬉しそうだな…」

「はい、私デザイン画書くの下手なんですけど、考えるのは好きで…久しぶりに頑張っちゃいますよ…フフ///」

「おいおい、まさかお前集中すると回りが見えなくなるタイプ?」

「え、わかります?ご飯とか食べなくなってしまうけど…いいんです。」

「やっぱな。そんなやつ 俺の大学ん時もいたな…」

「先輩は服飾の専門学校じゃないんですよね?」

「芸大だ。変わり者が多い大学だ…」

「納得です。それで そうか…」

「…っておい。そこは先輩は違いますね…とか言うんじゃないのか?」

「そんな事 私が言うと思います?」

「あ~うるさい。もう今日は早く片付けろ。帰るぞ…」

え~、今からデザインを考えようと 楽しみにしてたのに…

「先輩 お疲れ様です。さっさと退社して下さい。私は後から帰りますので…」

「お前は俺と一緒に今から帰るんだよ。早くしろ…」

超俺様…もうどうにかして欲しいよ…この人に勝てる人っているのかな?って思いながら 口には出さないで我慢した。それよりも早く家に帰って デザイン考えようと浮き足だっていたのである。



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