* KING *



上手い話には裏がある…
私は自分の考えの甘さに負けた。


やっぱり神なんかいない…
絶対あの人おかしい。


名前を付けるなら 魔王だ。
もうKingでもない。
人でなしだ…


会社では 普通に仕事をする。新しいブランドを立ち上げる事は 中々簡単ではない。しかも ほぼ色々な事をしている先輩。

出来る男…
全然関わりなかったら もう瞬時で惚れ惚れする位に やり手。

もう人使いが荒いってもんじゃない。私は職場での扱いは 人ですらない様な気がする。

先輩の駒使いの下僕扱い。
酷すぎる…

職場を離れると、甘い先輩と同棲
…な訳でもなく、同居ならまだまし…
いや私は監禁されていると思っている。

毎日ご飯を食べて(料理担当は先輩。私は食べる専門) お風呂に入って…そこからが地獄の時間のスタート。

本気で 私泣きそう…
1日目…嘘でしょ?
2日目…マジか?
3日目…これは…ヤバい…
4日目…逃げ出した。

私は4日目の週末の日 柚ちゃんとの約束もあり 定時後 瞬時に姿を眩まし 先輩に無断で逃亡に成功した。

単なる逃避行だけど、こっちは必死さ満載。
買い物をして 私ん家で先輩の悪口のオンパレードで憂さ晴らしをしまくった。

息抜きも必要でしょ?好きな物が嫌いになる瀬戸際のギリギリの位置に立っていたんだから…

♪~♪~♪
突然の携帯の音が…
ギャア~

「柚ちゃんどうしょう?先輩だよ…」

「アハハ…怖すぎる…百瀬さん極めてるね…」

これどうすんの?ピッ…

私は知らない。何も見てない、聞いていない…迷わず電源オフ!

「今日はね お休み…女子会タイムだよ!」

笑っているけど本当に怖くて ひきつり笑いの私を 柚ちゃんは優しい手で頭を撫でてくれた。

「さてと安ちゃん 百瀬さんの事好きなんでしょ?」

「へ?私何も言ってないよ…」

「う~ん、空気感?二人でいる時の安ちゃん見てたら わかっちゃった…えへへ///」

「そっか…だけど私 先輩からは女認識されてないし…想うだけは自由でしょ?」

「でも…何とも想ってない人とずっと職場以外でも一緒にいたいとは 思わないと思うんだけどね。」

「あの人変わってるし、近くで監視したいだけだよ…それに毎日しごかれてヘロヘロだよ…」

「ふ~ん、今まで女の人と関わりを極力避けていた百瀬さんだから不思議なんだよね…」

「そうなんだ。謎だね、やっぱ先輩は…」

今日は先輩は封印だ。明日が怖いけど…柚ちゃんと お酒を飲んで 忘れる事にした…



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