* KING *
数時間後 これは…過去最高じゃないっていう渾身のデザインが出来たと思う。

早く先輩に見せたい…

先輩のいるリビングに向かうと…ソファーで寝ている…近くに行きガン見する。

寝顔も綺麗とか…信じられない顔。でもずっと見てても飽きない///

いやいやダメ…ちょっと起こしてみようか?

「先輩…あの…」

「あれ 俺寝てた?」

「はい…もう一生起きないのかと思いました」

「…な訳ないだろ。ここに来たって事は 自信があるのか?」

「はい。私学生の頃 実は何回か賞を取っているんです。その時のより完成度が…ヤバいです。」

「自分でかなりハードル上げるお前にビックリしたわ…そんなすごいのなら見せろよ。」

スケッチブックを渡した。

「……ん、まあまあ、だな…」

なんで?!まあまあなの?

「お前このイメージ何処から持って来た?」

「昨日の癒しの女子会で 憂さ晴らしををしてからの…デザインが見えて…」

「は?違うだろ?」

バレバレな訳ね…

「はいはい、言いますよ…先輩のお陰です。これでいいでしょ?」

「やっぱりな…俺いい仕事するだろ?」

「はい、限りなく私に恐怖と威圧感を与えながらのアッパーパンチを喰らいました。ありがとうございます。目が覚めて良かったです。」

「そうすると、覚悟出来たって事でいいんだな?」

「はい、頑張らせて頂きます。」

「そしたら、元の姿を見せろ。」

はぁ 嫌だな。でもそんな事言っても 許してくれる訳ないよね…

洗面所に行き コンタクトを外す…この取った姿を人に見せるのって いつぶりかな?かなり 勇気がいる。

「遅いぞ 杏。」

先輩せっかちなんだから…思い切って リビングに向かって歩いた。

「やっぱりな…お前そっちの方がいい。明日から それにしろよ…」

「それは絶対無理。今だけなら出来るけど…先輩怖いよ…」

先輩が近くに来て 私の顔をマジマジと至近距離で見つめる。

「何で?すごく綺麗じゃないか…隠してるなんて 勿体ない。お前は綺麗なんだから、自信を持てよ。」

「本当に?もう、苛められたりしない?この顔でも話掛けてくれる?無視されない?」

「…泣くなよ。大丈夫だから…」

先輩の胸に抱きしめられて 頭を撫でられていた。

私の素顔を初めて綺麗だと言ったあなたは 私の好きな人…



が、とんでもない…

「見せるのは目だけじゃない。生まれたままの姿だ…」

はぁ?
そんな事わかんないし、
見せたくない…

あなたやっぱり変で、おかしい…



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