* KING *
車で移動した先に ヘアサロンが。ここは、有名人御用達の 予約が取れない事で有名な店。

また スイスイと店のスタッフに声掛けして話をし 奥の部屋に連れられる。先輩って どんだけ美に対する関係者がいるの?パイプ有り過ぎやしませんか?ただ者ではない。
更に謎ばかりが増える。

「翆、こいつの髪を頼むわ。お前に全て任せる。」

「おっ凱人、やっとイメージの娘見つけたんだ。」

さっきから イメージ イメージって私が?

「あぁ、やっとな…ささっとこいつをチェンジしてやって!」

先輩の扱いは相変わらず雑だけど、担当する人は一流過ぎて 一生普通なら係わらる事のない人。

「よろしくお願いします。」

何のひねりもなく、これしか言えない。

10分程度で 素晴らしいシザーマジックでヘアカットされた私。ずっとロングヘアだったのが、素敵ミディアムに。軽やかに随分と雰囲気が変わった。

「///杏…まあまあ可愛いじゃないか…」

誉めたよ先輩が…どうした?何があった?

頭はおかしいかくらいにパニックで 胸はドキドキ…

「///先輩、イレギュラーな言葉使いは止めて下さい。息が止まりますから…」

「ハハハ…凱人、中々素敵な娘を見つけたな…面白いじゃない。」

また言われた。面白いと…。

言われたこっちは 全然面白くない。

「さてと、これでいいか…」

もう終わりなの?
少し寂しくなるのはデートが終わるから?

ただ私を色々といじり変身させただけで、甘さも何にもないんだけど、先輩の側にいられるだけで 先輩の一番近い存在だと勝手に思いたかった。


夢の中にいるような1日が終わった…






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