* KING *
リビングには お粥が用意されている。何て胃に優しい朝ご飯。

「先輩 優しい味がします。誰が作ったんでしょうか?」

「は?お前じゃないのは確かだろが。優しい俺様の他に誰がいる?」

「そうですよね…おかしいなぁ。」

「おかしいのは お前だろ。今日はさっきも言ってた様に 車で出勤する。後20分後に出発するから 早く用意しろよ。」

やっぱ鬼じゃないか?私はシャワーもさせて貰えないのか?

「杏 顔に全部書いてるぞ?電車で二日酔いは堪らんぞ。俺は車、お前電車で行くか?」

「やだ~。急いで用意するから、乗せて下さい。」

ミラクルでシャワーと化粧をして、先輩が用意していた服を着用。これがまた 格好いい。私が着て大丈夫か?と思ったけど 出る時間1分前。迷いは許されない状態なので、速攻玄関にスタンバイ。

「やれば出来るじゃないか…。」

「そりゃ 鬼に鍛えられている身ですから、半端ない動きが出来るんですよ。私女子ですが 運動部の男子扱いですから…。」

チッ。

舌打ち1つで終了。

今日も楽しい1日が始まりそうな、そんな予感しかしない朝の出勤の1コマ…

会議が終わったからと終わり。…なんて安心出来ない、これからが地獄へと鬼が前以上に私のお尻を叩きまくる 怖い毎日が始まるのであった…



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