* KING *
「圭さん、先輩 私バカでした。商品になるには 作業だけじゃなかったんですね。」

「そうね。お客様の立場になって考える事も大事なの。どんな時に どんな場所で どう見せたいか。」

「杏は COLORをいつ着たいんだ?」

先輩が私を真っ直ぐに見て問う。

う~ん、少し考えるが…中々難しい。

「難しく考えないで心で感じるの。杏はねCOLORを着ている自分を誰に見て欲しい?」

「私が見て欲しいのは…」

先輩なんだけど…チラリと圭さんを見て…

「///やっぱり…自分が素直になれる人の前で 心を自由に解放したい。そんな時に着ていたい服です。」

「流石ね…心を自由に解放する時ね。」

「お前が素直になるなんて どんなやつか 俺が見てみたいよ。」

「///もう先輩には絶対見せないんだから…残念でした。」

「ほら二人共 裏ばっかり。そろそろ止めて…。」

「さてと、本題はここからよ…秋冬物だから 素材はどうするの?」

「だと思ったから 少しだけ前々から集めておいた。参考に出来るだろ?」

「先輩…この素材サンプル素敵過ぎて鼻血出そうです。今は何故か鬼には見えないです。」

「お前は鬼という言葉を一旦頭から忘れろ。ウザイんだよ…。しかも 鼻血は絶対出すな…。」

「先輩が優しい人なら忘れるんですけど、多分無理みたいな様なので、鬼健在の方向で お願いします。」

「アハハ…凱人諦めなさい。杏の方が あなたより上手だから。杏 私は鬼じゃないでしょ?」

「圭さんは 鬼ではないです。どちらかというと悪魔ですね。鬼のワンランク上の…」

「圭の方が 恐ろしいな…クスッ」

「なので、鬼と悪魔のコラボ…最強です。だけど、私は二人と一緒に仕事が出来る事が大好きなので 全然苦じゃないし、寧ろ頑張れます。これからもご指導よろしく 鬼度と悪魔度 キープでお願いします。」

「杏、私も大好きよ。あなたのその負けず嫌いな所も後 可愛い性格もね。やっぱ食べたいわ…。」

「おい、食べるのなし。だけど…俺も今の仕事 まあまあいい感じだと思ってる。だから早く先に進んで 商品にするぞ///」

うわぁ…先輩がちょっと照れてるのがレア過ぎ。でも3人きっと私と同じ気持ちだとわかり だいぶ嬉しい。

その後 打ち合わせは素材や、シルエットなど パターンを引く時に絶対必要な情報を決め 定時を過ぎても続いた。



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