* KING *
先輩のマンションに帰って来た。疲れた体は キープのまま。先輩がお風呂に湯を張ってくれ 先に入れと言う。

口は相変わらず悪い。だけど、お風呂から上がると テーブルには軽い夜食が用意されている。

「俺も風呂に入るから、先に食べとけ。頭はドライヤーでちゃんと乾かすんだぞ。」

親?お兄ちゃん?みたいと思い笑ってしまう。

「はいはい。可愛い後輩が言う事を聞かないと言って 先輩が泣いちゃうと困るので ちゃんとしますよ。では先輩有り難く頂きます。」

「お前は素直にありがとうが言えないのか?そんな簡単に泣くわけないだろが…」

と言いながらお風呂に行く先輩は 少し笑っている。

短時間で 夜食をも作る 超絶極上イケメンには 中々お目に掛かる事なんて出来ない。

だけど少しばかり性格に難があるだけの先輩に 何で彼女いないのかな?

口を動かしながらふと考える。今の今までスルーしていた事実に 今更びっくりする…

「あっ、やっぱゲイだから?」

「あ?誰がゲイ?」

「先輩が…え?」

「な訳ないだろ?お前頭大丈夫か?」

「先輩にそっくりそのまま言いたいです。」

お風呂から上がった先輩なんだけど…服を着て欲しい。色気半端ないし 目のやり場に困る///

「あの前々から疑問なんですけど、私は同性レベルですか?」

「また意味不明な…お前バカ?」

「だったら服を着て下さい。パンツでうろつかないで///」

「俺の家なんだから どんな格好でいても自由だろ?杏、お前こそ何処にいても自由にしてるから楽だよな…」

「もう酷~い…自由にしてないから。」

「ほら、お喋りより早く食べて寝ろよ。明日も忙しいんだからな。」

やっぱり デレが登場する先輩は優しい。言わないけど、笑いそうになる頬を 無理やり止め 箸を動かす事に専念する私がいた。




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