* KING *
依頼のあった写真やサイズはまだもらっていないので 仕事が出来ない。百瀬チーフに直接 フロアに聞きに行く

「ですから、その件は…」

忙しそうに 電話をしているチーフが見える。でも 怯んでる暇はない…

ツカツカと進み 百瀬チーフの前で待つ。何?って顔で見られるが、スルーして全然気にしない…

ガチャと電話を置く音がしたので、すかさず
「チーフ、昨日の件ですが…写真とサイズがなければ 私は仕事が進まないので、早く下さい」

「瑞木、イメージ写真5枚とサイズの件はどうなった?」

「あ~、あれ安ちゃんのだったんだ…。ごめんね、用意出来たら 部屋に持って行くから待っててね」

「はい。わかりました、よろしくお願いします」

ツカツカ部屋に戻り 何か無性にムカついた…確かに今のは、これで何の支障もない…

だけどさ…こっちの顔見ないで、私に返事せずに失礼極まりない態度だった…

何様?あ~!ダメダメ…
ちょっと トイレで冷静になろう…
何でこんなに 腹がたつんだろう?私おかしい…先輩が絡んでるから?

はぁ…一向に収まらない苛立ちに 驚きながら 部屋に戻ると 瑞木さんが私の席で待っていた

「安藤ちゃん遅くなってごめん。これが参考写真で、サイズスペックはこれで、また何かわからなかったら俺に聞いてね?」

「これって、納期はいつまでって瑞木さんは聞いてます?」

「来週末だよ…あいつ多分早めに安藤ちゃんに伝えてるんじゃない?」

「やっぱり…そんなに私信用されてないんですね。わかりました。百瀬チーフには負けません…燃えて来たから頑張るだけです!」

「安藤ちゃん…そこ熱くなるとこなんだ?やっぱり面白い…ねぇ今日さ飲みに行かない?色々な情報欲しいでしょ?」

「瑞木さん、仕事中に女の子口説いたりして いけないと思います。罰として私も誘う事!いいですか?」

「え~厳しいな。流石柚ちゃん…じゃあさ、定時頃エントランスで待ち合わせな。柚ちゃん、安藤ちゃん 遅れないようにね!」

「はい任せて下さい。安ちゃんをちゃんと連れて行きますね」

三人で飲みに行く事が、私の意思とは無関係に進んでいった…




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