* KING *
部屋に入ると

「もぅ杏~たまには こっちにも顔出してよ。昨日から凱人のお世話大変なんだから…」

「いやいや、私にはパターンを引かないと 仕事進みませんし、今集中してやらないとダメでしょ?」

「う~ん困ったわね。私今日午後2で外出なのよ。凱人1人だと心配なのよね。昼から
こっちの作業に入れない?」

「えっと?心配とは…」

「あっ帰って来た…」

「お前どこでサボってたんだよ。俺の下僕の筈だろ?」

「杏…下僕になったの?」

「いやいや、昨日色々ありまして…」

「ん、まぁ杏からお願いされたんだ。是非ともと…」

「ふ~ん。それなら安心ね♪私も直帰出来るわ!じゃあ杏、後はよろしく!」

えっえ~。圭さん…お願いされても 非常に困るだけなんですけど…

パタンと 静かに扉が閉まり 更に静かになった気不味いCOLOR room…

「おい、ボケっとすんなよな。お前は パソコン得意か?」

「まぁ、普通に使えますが…」

「それなら、この資料見ながら工場に渡す材料規格書、後 縫製規格書を頼む。」

「あっ、それとデザイン画はデータ化したいから、イラストレーターに落とせ。出来るか?」

「先輩、まさかと思いますが…納期は?」

「出来たら今週、遅くとも来週頭。下僕なら出来るだろ?」

「あの…縫製規格はパターンの後でも 問題ないと思いますが…」

「そうだな、お前はパターンも早くしてもらわないと 見積り出来ないから、それも平行な…」

「先輩…一言だけ言わせて下さい。」

「ああ 何だ?」

「超絶 鬼ですね。今週は 休日出勤確定です。先輩も絶対に道連れですからね。」

「また鬼攻撃か。お前無駄口言う前に働けよ。そして喜べ。優しい俺様が 貴重な休みもお前に付き合ってやるよ…。」

ニヤリと笑う先輩に呆れながらも 休日出勤に付き合ってくれるんだ…と ちょっと意外な先輩に 驚いた私がいた。




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