* KING *
2時間しっかり1型パターンを引いた。先輩の2時間は 一体どんな区切り?

COLOR roomに戻るが 先輩の姿はない。少し休む為に休憩室に行き 自販機にお茶を買いに向かう。

あっ先輩だ。誰かと話している?

「だから、今は絶対無理だ…。」

「じゃあさ いつならいい?来月?」

「う~ん、もう少し考えさせろよ。」

「もうこっちも 時間ないんだよ。頼むよ…あっ?安藤さん…お疲れ。」

「お疲れ様です。」

「そうだ…これいいかも?俺 中々の考えが閃いた。百瀬また後で連絡するな。じゃあ!」

「ああ。」

「先輩の嘘つき。2時間経って部屋に行っても 居ないし…。」

「あ?喉が渇いたんだよ。お前の分も買ったからいいだろ?」

ココアが2個 先輩の手の中にある。

「何だ。最初っから先に言って下さいよ。」

「ほらこれ飲んで 頭働かせてもらわないとな…。」

素直にありがとうが言えない私。

「さてと、どの仕事から潰します?」

「潰すとか言うな!!」

「はいはい。先輩の言う事は聞こえません。さっさと 作業に取り掛かるので、雑音や罵倒は控えて下さい。集中が何よりの時短ワークの基本ですので…。」

「黙れ。ほらお前の分、俺がちゃっちゃっとしといた。優秀な先輩が側にいてお前幸せだな!」

えっ先輩は2時間で これ終わらせちゃうの?

今日家にお持ち帰りしようと思っていた書類が終了している。しかも、私が入力しようとしていた予定の物より遥かに詳しい情報が追加されて…

ハハ…完全完敗で笑っちゃう。先輩は何でも器用に出来ちゃうサイバー的な人間場馴れしていて怖い。追い付いて先に行くとか豪語してる自分が恥ずかし過ぎる…

「先輩 俄然やる気UPしました。渇を入れて下さり ありがとうございます。」

「はぁ?また訳のわからん事を…渇?お前の頭ん中は いつも飛んでるな…ハハ…」

その顔はヤバい…余りにも柔らかいスマイルは心臓に頗る悪いので控えて欲しい…

本当マジでかなり仕事に支障をきたすから…お願い勘弁して!



< 94 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop