* KING *
好きな事をしてる時の集中力だけは 自慢出来る位半端ない私。

「おい、お~い。こいつ…全く。」

肩を急に揺さぶられて、びっくりする。

「な、何ですか?びっくりするじゃないですか?」

「さっきから 呼んでんのに杏は完璧シカト。だから揺すっただけだろ。もう帰るぞ。10時だ…。」

はぁ嘘?

「もう早く言って下さいよ。お腹空きました。早く帰りますよ…ほら、先輩早く片付けて!」

先輩が呆れながらも 帰る支度をして 部屋を出る。フロアには誰もいない。電気を消して シーンとした廊下 エレベーターを使う。

「杏 お前は今の仕事は好きか?」

突然の先輩の質問は どういう意味?好きじゃないと 無理だよ…

「あの先輩にとっての仕事は何ですか?私は、今までで 最高にワクワクと楽しい毎日で これが好きじゃないって言ったら おかしいでしょ?」

「そうだな。俺の仕事は…う~ん お前には まだ話すには 早い。」

「何ですか それ?」

「まぁ 言いたくない…」

先輩の心の扉は 固く頑丈に鍵が掛かっている。いつか私にも心の一部でも話して…仕事仲間、同僚として…






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