先生に初恋
「言っとくけど空耳じゃねーかんな。」

そう言って先生は離れ空をみ、

「俺は、高橋大輔は井塚まいがすきだー!」

その言葉がやまびこで返ってくる。

これはなんだろう。夢なんでしょうか。

「だからいなくなったほうがいいとか考えんな。井塚がいなくなったら寂しいだろーが。」

再びぎゅーっとしてくる先生はどこか可愛くて。

もう現実でも夢でもいいや。

先生の笑顔が見られたんですし。

「な、井塚のことまいって呼んでもいいか…?」

耳元でささやく声は心地よくて。
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