無意確認生命体
「おや? よろしゅうございますね。お相手がいらっしゃる方は。もう子作りの計画中だんべか?」
唐突に何を言い出すんだ、こいつは。
「はい? 何の話?」
「おいおいおいおい~! このみっちゃんをなめてるのかい? この淫乱娘!」
「誰が淫乱だ! なに? どういうこと?」
「だーかーらー! ……ったく、あたしにわざわざ言わせるかねぇ」
美智はふて腐れたように、眠っている有樹ちゃんのほっぺをぷにぷにとつっつきながら続けた。
「アンタ、志田と付き合ってるんでしょ?」
「は!?」
私の目は点になる。
「え、え? なんで? どこで間違って、そう言うことになってんの?」
私が本当に意外そうな顔で答えたので、美智も自分の勘違いに気付いたようだった。
「あり? 違った? マジ? だって、テスト前で部活もないはずなのに、アンタらふたりして校舎裏で密会重ねてるのを、あたしゃこの目で目撃してんだよ!」
……そんなことしてたんですか、あなたは。
「違うよ! それは、一週間も花壇放ったらかしにしてたら、花なんかが枯れちゃうから世話を続けてただけだよ。それに、密会とか、そういう言い方したら、志田にも失礼!」
美智は私の話を聞いてキョトンとしたが、すぐにニンマリ顔になる。
「あれぇ? しぶちんって、そんなふうに男なんか気にかける人だったっけ~?」
「え?」
そして、美智は少し真面目な顔をして続ける。