無意確認生命体
「どう。おさまった?」
朝食べたものを全部出してしまい、トイレの個室からグッタリしながら出てきた私の顔を心配そうにのぞき込んでくる浅瀬さん。
「牛乳がまずかったのかな……。ごめん雌舞希。ああいう時って急に水分採ったりしない方がいいんだっけ? よくわかんないけど、あたしが引き金ひいたっぽいよね。からかっていいところじゃなかった……。ねぇ、もう大丈夫?」
半泣きになりながら、私の背中をさすってくれる美智。
「これから保健室行こ? 私たちもついてくから」
浅瀬さんはそう言いながら、私の口の回りに付いた唾液や胃液の混じった吐瀉物をハンカチで拭ってくれた。
「ご……ごめん……。美智、浅瀬さん……そのハンカチ、洗って返すから……」
「いいってこんなの。それよりどう? 歩ける? 肩貸すよ?」
「う……うう……う……。ごめんなさい」
「謝らなくていいって! あたしらもちょっとふざけすぎだった。それに、困った時はお互い様。……よくここまで耐えたね。偉かったよ、雌舞希」
……違うよ美智。私は全然偉くなんかないよ……。