無意確認生命体

「ぷ! くっくっく! あっはっはっはっはっは! 志田! アンタそのチョイス最高!」
「いやー。近江、初々しくていいわね~。"不健全!"だって! あははははははは! 若いのか年寄り臭いのか、どっちなのよソレ! あっははははは!」


そして現れる悪魔二匹。


固まっている私と、目の前で笑い転げる美智と持田先生を相変わらず間抜けな顔で見上げている志田。

「あー。あんたら、どこ行ってたんだ? なんか話し違うじゃんか。今見せてみたら、雌舞希こんなの知らんっつってたぞ」

そしてポンポンと文庫本を指で叩きながら、なんか抗議している。

「くっくっく、そんなの嘘だよ志田。しぶちんはその本から湧く如何なる疑問にも一発で答えられる知識をお持ちさ。伊達にあたしと長年良い仲ってワケじゃないんだから!」

「ぷっ! ふふふふ。そうよね。近江って人体の構造とか、無駄な学に詳しかったりするもんねえ」

人体の構造を無駄とか言っちゃダメだろ保健医。


いや、そうじゃなくて――。

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