無意確認生命体

「ふ~、到着。あー。空、何とかもってくれたわね。問題は帰りか~……。この感じだと降り出すんだろうな~。――あ、アンタん家、バイクあるじゃない! ねぇこれ、帰りに貸してもらったら、ダメ?」

「このバイク、うちのじゃないですよ。うちの人、バイク乗りませんもん。あれ? 誰か来てるのかな」

家の引き戸の手前、おじぃの自転車が駐めてあるすぐ隣に見慣れないバイクが駐車されている。

「冗談で言ったのに、普通に返すんじゃないわよ。――なに? お客さんが来てるの?」

「はい、そうみたいですね」

「あらそ。そんじゃ、手早くアンタひき渡して、さっさとおいとまさせてもらうわ。……少しでも、降り出す前に戻りたいしね」

私はバイクを避け、引き戸を開けて玄関に入り、そこへ先生を招き入れる。

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