無意確認生命体
「え? ……うーん。学校に着いたのは10時ぐらいだったと思うけど」
「じゅっ!? え、ナニそれ? なんで3時間もこんなトコで待ってたんだ? そんならオレんトコに電話とかすりゃよかったのに」
「え、だって私、ケータイ持ってないもん」
「や。そんなら家出る前とかあるだろ」
「だって、その時は志田が鍵持って帰ってるなんて知らなかったもん。屋上入れないなんて思ってなかったから」
「……午前中、雨降ってたと思うぞ?」
「うん。ココ来るときも降ってたね。だからほら……、傘」
「だったら、なんで屋上なんだ?」
「えーっと……。屋上で待ってたら、そのうち志田も来るかと思ったから、かな?」
「いや、それだよ。そもそも雨、降りっぱなしだったら、オレが来たかどうかもわからんかったぞ」
「あっ。……そっか。うーん……言われてみればそうだね。あはは。そこまで考えてなかった」
「おいおい。ホント平気か? そんなボーッとしてて、また襲われても知らんぞ」
「うっ……。も、もういいじゃん。志田、いるんだし」
「まぁ、それはそうかも知れんが。だからってこんな踊り場みたいなトコで待たんでも。……はぁ。わかった。そうだな。いいか。オレ、いるんだし。そんじゃ、今カギ開けるから。そのカサ下ろして、ちょっとそこどいて?」
「うぁ、ゴメン」
「なるほど……。仮に襲われても、その武器がありゃ、平気ってか」
「……なんか志田、怒ってる?」
「うーん。怒るっつーか……。あきれてる」