無意確認生命体
20分ほどして風呂から出た私は、脱衣所に用意しておいた普段着を着て居間に向かう。
居間にはもうおじぃが起きてきていて、座ってテレビを見ていた。
居間の時計は、6時55分を指している。
「おはよ、おじぃ」
「おぅ! おはようさん、しぃちゃん」
「今日は、朝から病院でしょ? ご飯これからだから、ちょっと待っててね」
「おう。すまんなぁ。――ん? あれぇ、しぃちゃん。制服ぅ着てないのかい?」
「あ、うん。私、今日は学校休むから」
「どうしたんだい。風邪でも引いたかい?」
「違うよ。――ほら、元気元気。こんな日に風邪なんか引いたら、怒られちゃうじゃん」
「バッカ。怒るもんかい。こんなぁ良い子なしぃちゃんを、いったい誰が怒るってぇんだい?」
「なに言ってんの、おじぃ。そんなの、お母さんがに決まってるじゃん」
「はぁ、志真さん?」
「だって今日は、私もいっしょに、お母さんのお見舞い行くんだから――」
おわり