無意確認生命体

「あー、そっか。え、なに? なんか連絡回ってるの?」

『うん……あの、明日……ね、夕方の5時から、クラスで、ね、み……みんなで集まって、親睦会、やるんだって。それで、もし、時間が空いてたら、その時間帯に……B組に、集まってほしいんだって……』

……榎本くんってこんな話し方なんだ。

なんてゆうか、どもる?ってゆうのか。

「明日の5時に教室? うん。わかった。多分行けると思う。榎本くんは? 来れそうなの? 何か持って行った方がいいのかな」

『……ん、たぶん、僕も、行けると思う。……持ち物は、特に何も、いらないって』

「そっか。人数、なるべく集まるといいね。えっと、ということは……」



――あ。



そうだ。

私の名簿の次の人は、柏木くんじゃないか。

うぁ。これは、気まずいなぁ……。


『柏木くんには、僕から連絡、入れておくよ……』

「――え?」

どきっとした。

な、なに? 彼は忍者か?

それか私、声に出してたか?
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