無意確認生命体
でもそれを見てピンと来た。
そうだ! 窓から逃げられるじゃんか!
――といっても、ここは1階じゃない。3階だ。
飛び降りればただではすまないだろう。
でも、いまの私にそんなことを考える余裕なんて無かった。
しゃがんだ姿勢のまま目の前の机の脚をふん掴み、立ち上がると共にバットの如く思いっきり振り上げた。
「ぃギッ!」
「っでぇ!」
机の角が、イ~イ感じで目の前にいた東堂と平西の顎とこめかみの辺りにきまった。
そしてその振り上げたままの机を、目の前で呆然としている中田に向かって振り下ろす感じで思いっきりぶん投げた。
――まさに火事場のなんとかだった。
「うぁ!」
中田はそれをかわしたようだったが関係ない。
私すでに体の向きを180度回転させ、割れた窓に向かって立ち高飛びよろしく、勢いつけて飛び降りていた。