無意確認生命体
……ああ……最後の、最後で……。
私の両目から、さっきまでとは全然違う種類の涙がこぼれた。
絶望し、視線を落としたその時、私のスカートに拳大ぐらいのガラスの破片が刺さっているのに気付いた。
多分さっき飛び降りたとき引っかけたんだろう。
私は右手でその破片を握りしめると、左の肩に掛かった手の甲に思いっきり突き刺した。
「ぅぎぃってえぇーっ!!」
背後での悲鳴と共に肩に掛かった手から力が抜ける。
その瞬間、全身全霊の力を込めて地を蹴り、私は校門向かって走った。
振り返る余裕なんて、欠片も残っちゃいなかった。
もう二度とさっきの魔手に捕まるまいと、走れる限りの全力で走り続けた。