無意確認生命体
5月6日(木)
11.
昔の事を夢に見た。
所々飛び飛びだったけれど、私にとって特に思い出したくない部分ばかりダイジェストで繰り返されたのがきつかった。
こんな夢、最近は見なかったのに。
昨日のことが相当尾を引いているらしい。
昨夜はあのまま美智の言うとおり泊めてもらうことになった。
家に連絡するとおばぁが出て、泊めてもらいっぱなしでは悪いから、今度は美智をうちに連れてきて泊めろ、としつこく言われたのには参った。
私のあの狭い部屋で、私と二人で寝ることになったら、それこそ美智には地獄と化す。
私の寝相の悪さを甘く見てもらっては困る。
美智の制服は、私には少し大きかった。
本人にそれを言うと、
「あたしが太ってるんじゃないんだからね! アンタがちっこいのが悪い!」
と、悪者にされてしまった。
また、下着の替えがない、と言うと、
「昨日のを着けなさい。二日ぐらいどうってことありません。むしろ体臭が染みこんで学校のみんなは大喜びです」
なんて無茶苦茶を言われた。
私がそれに抗議すると、
「じゃ、ノーパンノーブラで行く?」
と言われ、諦めて昨日のものを使うことにした。
こんな下品なことをベラベラと喋る美智だが、私の身支度だけはしっかり整えてくれた。
……ほんと……子供か私は。
今日は通学が楽だ。
何せ美智のママチャリの後ろに乗っけてもらえる。
……本当はあまり学校に近づきたくなかったが、美智が許してくれそうにない。
柏木を二人で絞める! と意気込んでいた。