無意確認生命体
ここで一応種明かし。
私のさっきの会話は、始めっからず~っと演技だ。
最後の忠告は、もちろん私の本心ではあったが、実際マジで襲われたら私だってたまったモンじゃない。
だが、それまでの彼らにとって不可解な私の行動と、私の今の話術(思った以上にうまくいったと自負!)によって、彼の中での私に対する不気味さ、奇妙さは絶大なものになったはずだ。
そうなれば後は、「もしもそんな強行に出たなら、何が起こるかわからない」という不安の種に、彼が勝手に水をやって膨らませていってくれる。
これぞ私の閃いた秘策!
名付けて「恐怖の雌舞希癌《しぶきがん》」!
あの志田くんとか言う変な奴(怪我させといて失礼だな私)が、勝手にしていた虚偽の進言まで話に絡める巧妙さ!
ふっふっふ。私もなかなかの策士よのぅ♪
ああ! すっきりした!
ざっまーみやがれっ!