無意確認生命体
17.
同日放課後。
美智は言った。
「志田と二人で夕方まで待ってて」
私は思わずポカンとしてしまった。
今日一日、午後も相変わらず、美智はず~っと私を手放さなかった。
それは男子が「レズコンビ~!」とかアホみたいなチャチを入れるほど厳重この上ない監視だった。
――ちなみに、その発言をした高佐木少年は、
「テメェらみたいなボケがいるから雌舞希はなあッ!」
と、美智の極めてデリケートな逆鱗に触れ、敢えなくご臨終なされた。
や、死んではいないが。
そして放課後。
美智には部活があるので、さすがに私の下校の監視まではしないだろうと思っていた。
ところが美智は、下校時が一番危ない! といって私がひとり帰ることを許してくれなかったのだ。
部活サボって護衛する! とまで言ってくれたが、さすがにそれはあんまりに悪いので止めた。
そこで、美智はクラスの仲の良い女子に、私の帰宅時の身辺警護を依頼した。
――女の子が身辺警護ってゆうのも妙な話だが、まぁ今回は事が事だ、男には頼れないだろう――しかし皆帰り道が違ったり、美智と同じように部活があったりしたので、そこまで迷惑掛けられないとやはり私が断った。
それでもまだ、美智は諦めてくれなかった。
それなら自分が部活を終えるまでの間、私に学校で待っていろ! と、こう言い出した。