無意確認生命体
…………。
私は絶句した。
すごい傷口。
何コレ……?
これを、私がやったのか?
アイツらとは全然関係なかった人に。
この私が?
「あ! やっぱ怖い? マジで、無理ならいいから!」
私の顔からは血の気が引いてしまっていたらしい。
よく見るとなんか、手も震えている。
志田は手を引っ込めようとしたが、私はその手を掴み、
「ゴメンね……。ホント、ごめん」
万感込めて謝り、包帯を巻くのを再開した。
「あ、いや。オレの方が悪かった。や、ごめん! もう手のことは言わねーよ。あ~! 馬鹿だなオレ。朝も今も。キミが一番傷付いてんだ。わかってんのに」
「ううん、それとこれは全然別。志田は関係なかった。これは私が悪い」
……後は私が包帯を巻き終えるまで、お互い黙っていた。
「な、明日からも昼、食い行っていいか?」
「え?」
「あー。さっき言わないっつったばっかだけど、ごめん。コレ最後な。この手、これ治るまでさ」
正直なところ、もうはっきり言って、私はこいつに心を許してしまっている。
でも、昨日思い知った事実。
それを思えば、私はあまり男の人を近づけたくなかった。
「明日からは、フォーク持参ね」
それなのに、私の口からは何故かそんな言葉が出てきていた。