無意確認生命体
5月24日(月)
24.
女性には月経というものがあります。
そいつは約ひと月のペースで我が身を襲ってきてしまうのであります。
私の生理は他人のそれと、苦しみのけたが違う。
気を抜けばふわっと意識が遠くなるし、なった直後にゃ相当痛い。
そんなわけだから、生理中の私は、本当に全ての行動がおっくうになってしまう。
それでもまぁ、朝はやってくる。
そして、私の生理にあわせて学校がお休みになってくれたりはしない。
「おばぁ、今日きちゃったから、学校行きたくない。しんどい」
月曜日。
朝の食卓。
おじぃはいつものように、まだ寝ている。
だから今日も居間でおばぁとふたり、テーブルに向かい合って座り、テレビを見ながら朝ご飯を食べていた。
その時に、私はこんなだだを漏らしたのだった。
私の月経の苦しみは、顔にもかなり出てしまうようなので、おばぁもあまりきつくは言わない。
だが、この日はなんだかいつもと様子が違ったらしかった。
「ごめんねぇ、しぃちゃん。今日はちょっとお客さんが来るから、しんどいのはわかるんだけどね、出来たら学校はお休みしないでくれたほうがいいかもしれないねぇ」
一応、苦しいとはいえ、「生理が来たから学校休ませろ」なんて無茶を本気で言ったつもりはない。
現に、もうすでに身支度はすませてしまっている。
でも、おばぁの今の反応は気になった。
客が来たところで、私が部屋にでも引っ込んでいれば、それですむことだ。
おばぁがこんなことをわざわざ口にしたからには、何か理由があるに違いなかった。