盗撮教師日記
―2年1組の生徒―

午前7時30分 條河駅前にて。

「みんな集まった?」

そうやって声を掛けたのは、水嶋。

「光と小野田がまだ来てないんだけど」

そう呟くのは、宮城。

「ごめん。遅れた」

そう言いながら光の手を引っ張る小野田が居た。

「俺は、昨日も言ったとおり教育委員会なんて行かないから」

小野田を手を振り離し歩いて集合場所から離れるが小野田は、光の手をつかむ。

「光……あのねっ今日行くのってね山岸先生の訴えをしに行くだけじゃないんだよ?これからの21HRの全てがかかってるの。だから、お願い……一緒に来て?」

「ったく……しょうがねな」

そういって、光はクラスメイトのところへ走っていった。

教育委員会に参加しなかったのは、竹田と勝山と満だった。

そして、生徒達はきっぷ売り場できっぷを買い教育委員会のある
蜂窩市駅まで向った。

電車の中では、皆ケータイいじったり本読んだり自由に過ごしていた。

この後、自分達の知らない世界へと行くこともしらずに――

蜂窩駅に着くと皆の心は1つになっていた。

教育委員会までバスで10分。

みんなで、バスに乗り蜂窩市役所前で降りた。

「皆……頑張るよ」

水嶋が声のトーンを低くして言う。

そして、みんなうなずく。

今、教育委員会への一歩を踏み出そうとしていた。
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