盗撮教師日記
―2年1組の生徒―

「すみません。教育委員会の教師育成担当の方っていらっしゃいますか?」

そう受付の人に聞くのは、やはり水嶋。

「あっ……ただいま、席をはずしておりますが」

「では、教育委員会委員長さんに会うことは出来ますか?」

受付の人は、一瞬驚いた顔をした。

「えっ?君たち、八木さんに何か御用があるの?こんなに大勢で生徒達が来る事は、そうめったにないからね」

「僕達は、教育委員会に訴えに来たんです」

少し、水嶋はいつもとは違う表情で答えた。

それを、見かねた光は受付の前に立ち、水嶋とは違い冷静な表情でこう答えた。

「八木教育委員会委員長はいらっしゃるんですか?」

「はい。いますけど……」

「じゃーあわせてください。僕達は、今日委員長さんに会いに来たんです」

「分かりました。では、ちょっと連絡取りますね」

受付している人が作り笑いをしながら、連絡を取っていた。

「八木さんは、今会議を行っています」

「じゃー僕達その会議に行きます」

光の発言に、生徒達は目を疑った。

いつも、冷静沈着で正しいことしか言わない光が、今日はいつもと違い大胆な行動に出たことに驚いていたのだった。

光は、受付の人にお礼を言って会議室に向った。

生徒達は、光を追いかけ一緒に会議室に向った。


会議室に着くと、みんなで深呼吸した。

「入るぞ」

光は、みんなにそういうと、ドアをノックした


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