盗撮教師日記
―山岸浩子―

2年1組の生徒達は、教育委員会に向ったに違いない。

私は、いつになく落ち着きさをなくしていた。

「山岸先生どうかされましたか?」

私の嫌いな技術の先生が話しかけてきた

「いえ。何も」

私は、すこし動揺をしていたが表情を変えずに答えた。

「なら、イイですけど」

そういうと又自分の仕事をし始めた。

私は、生徒達が本当に教育委員会に訴えたか知りたかったから、父親に連絡した。

「もしもし、お父様ですか?浩子です」

『浩子か。どうしたか?又、訴えられたか?』

「はい…今回は、生徒がみんなで…」

『そうか。分かった、。お父さんが何とかしてやるから』

「ありがとうございます。では、失礼します」

そういって、電話を切った。

今回も教師という立場が離れないように願うしかない……

そう願いながら私は、クラスの日誌を見た。

昨日の当番は、水嶋だった。

汚い字で、昨日の出来事を書いていたのだった。

○今日の1日○
今日は、3月に転校した森本さらなさんの父親が学校に視察に来ました。

視察に来たのは、いいがあの態度は何だと思いました。

あの人が、来てあのような問題を怒った原因は、山岸先生にあるんだと僕は思います。

僕たち21HRは、授業をボイコットするつもりです。

もう、先生とはやっていく自信がありません。

○水嶋○

そうかいてあった。

水嶋は、クラスのことをよく観察している少年だがここまで物事をストレートに言うとは思っても居なかった。

私は、生徒達の心が読めていない。

というよりも、子供が元から嫌いだったため生徒の気持ちなんて分かるはずがないと内心思ったりもしている。

私は、日誌を閉じPCを立ち上げた。

PCを見るとメールがなんと34通も着ていた。

メールを見ると……

23通迷惑メール。

残りの11通は、なんと抗議のメールだった。

どこから、私のメールアドレスを入手したかは知らないが……抗議のメールは、驚くような内容が書かれてあった。

メールを見ていると……先生方の視線が素晴しいくらいに恐ろしかった。

< 34 / 73 >

この作品をシェア

pagetop