盗撮教師日記
朝の8時15分。

朝打ちがスタートした。

「今日の会議は、まず前回に引き続きテスト対策についてです。では、テスト対策について山岸先生」

「はい。今回のテスト範囲は、2年生が特に多いです。その分負担もかかってきます。疲れで休み人が出るかもしれません。厳重に監視してください」

「監視って、あなた……私達は教師ですよ?そんな生徒を監視なんて。言いがかりの悪いこと」

このはげ親父が。

はげ親父とは、私とは別の理科の先生。

自分の意見ばっかり言うので、私は非常に嫌いである。

「監視というのは、そんな隠しカメラとかで監視しろなんて、誰も言ってません。だから、いつも以上に生徒の行動に注意して見てくださいといっただけです」

そういい私は、いすに座った。

コーヒーを飲み、はげ親父を見た。

はげ親父は、周りの先生とブツクサしゃべっている。

たぶん、文句を言っているのだろう。

文句があるなら大声で言ってもらえませんか。

と言いたかった。


「山岸先生に1つお聞きしたいことがあるんですが」

「何でしょう」

教頭が目を輝きさせながら答えた。

「山岸先生、失礼ですがあなたの教育方針は、どのようなものなのでしょうか。最近、保護者の方から苦情が来ているんですよ。山岸先生の教え方は、間違っていると」

「私は、間違っていません。私はただ――」

―キーンコーンカーンコーン―

チャイムが鳴った。

私は、席を離れた。

「山岸先生!!逃げる気ですか?」

「逃げる気は、ありません。もう、授業が始まってるんです。だから、私は授業に出ます」

私は、そういって職員室を後にした。

私の教育方針は、間違っているのか。

ただ、正しいことをしているだけなのに――


どうして――

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