盗撮教師日記
-石垣光―

校長が教室を出て行くのを見送り、俺たちは再び作戦会議を行った。

「あの校長終わってるな」

「つか、まじありえな~い。光君大丈夫?」

みんな口々に校長の悪口を言っている。

「あぁ……大丈夫。これくらい。ただ、問題なのは、山岸と俺たちの壁をどう倒すかが問題なんだよ」

「「壁?」」

クラス全員がクビをかしげた。

「まぁようするに、俺たちと教師の間では距離感がありすぎる。だから、それを縮めるってわけ」

そういうとみんなは、納得した。

しかし、距離を縮めるのはものすごく大変だ。

ましては、このような状況になった時点で……

俺の頭脳じゃもう限界だ。

他の方法は……ないのか。


俺は、知ってたんだ。

人との距離を短くするのは、難しいって。

幼い頃から、人と関わるのがニガテだった俺は、あまり人とはしゃべらず距離を置いていた。

しかし、中学に入りさまざまな人と交流ができ、コミュニケーション能力を求められたのだ。

そして、俺はコミュニケーション能力を上げるために毎日人との会話に特訓した。

だから、距離を短くするのは難しい。

でも、いつかは再び遠くなるに違いない。


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