盗撮教師日記
私は、恐る恐る職員室に入った。

やはり、教師たちの視線も恐ろしかった。

「山岸先生おはようございます」

後ろから校長が挨拶してきた、

「おはようございます」

「では、ちょっと校長室へ」

「はい」

覚悟の上私は、校長室へと向った。

校長室に入るといつも以上に緊張感が増した。

「山岸先生、そちらへ腰を下ろしてください」

校長先生に言われるまま私はソファーに座った。

校長先生は、グラウンドを眺めながらいった。

「山岸先生、あの記事は本当なのでしょうか」

私は、顔色1つ変えずにこたえた。

「はい、本当です」

すると、校長は持っていたコーヒーカップを机の上に置いた。

「山岸先生……あなたは私のいうことを素直に受け止めないんですか?あのときもそうだった。あの子をいじめたことをどうして今に生かさないんですか?もう問題は起さない。そうあなたと約束したはずです」

私は、黙ってうなずいた。

森本さらなをいじめていたのは、校長は知っていたのだ。

だから、私は処分なしで今のところ着ていたのだ。

しかし、今回の件で森本さらなの父親が関わっていることからもはや校長は黙っていられなかったというわけだ。

「あなたは、教師というのはなんだと思いますか?お父様の思いをついでいますか?」

「教師というのは、生徒に受験に困らないように勉強を教える、父兄の機嫌をとるということだと思います」

「あなたは、本当にあの方の娘なんですかね……。教育の現場に誇りを持っているお父様の所に一度向ってみたらどうですか?そしたら、あなたのその腐った心がキレイに生まれ変わりますよ」

校長は、再びコーヒーを飲んだ。

私は、校長の言っていることが理解できないため問いかけた。

「どうして、校長先生はそういうことがいえるんですか?」

校長は、黙って再びグランドを眺めた。

< 53 / 73 >

この作品をシェア

pagetop