盗撮教師日記
一番印象に残ったのは、やはり光のメッセージだ。

「先生、いままでありがとうございました。

ありがとうっていう言葉がどれほど重いか先生はお分かりですよね?

僕たちは何気なく言葉を表現しています。

先生が言った言葉はただの軽い気持ちかもしれない。

でも、僕たちからしてみればものすごく傷つくことで繊細な僕たちにとって教師の言葉って結構重要なんです。

だから、僕たちは先生へ敵意を向けていた。

先生に本当の気持ちを出さなかった。

先生から出してくれれば、もしかしたら僕たちも本当の気持ちを出していたかもしれない。

今、思えば結局は先生が生徒を変えるんだと思います。

生徒が先生を変えてもいいけれど、でもやっぱり生徒の心を変えるのは先生だと思う。

親は、血がつながっていて客観的に物事が言えない場合もある。

だから、血の繋がっていない客観的に見れて接触の多い。

この条件に当てはまるのは教師ただ一つです。

だから、先生の性格を変えてその汚い心を純粋にしたらまた2年1組の担任として迎えてあげますよ。

まぁ、それまでに先生が変わっているかはわかりませんけどね。

では、これで、僕からのメッセージを終わります」


光のメッセージは、なぜか心にグサっとささる。

あの子の考えていることは、すべて私を見通しているようだ。

光は、やはりすごい生徒なのかもしれない。

そう改めて思った。

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