盗撮教師日記
私は、生徒たちのメッセージをPCとつなぎ自分のPCにデーターを移行させた。

「これは、もう……不必要ね」

私は、盗撮カメラを段ボールの中にしまいタンスの奥へと忍ばせた。

もう、このダンボールをあけることはない。

そう自分に言い聞かせタンスのドアをしめた。

そして、PCを再起動させ自分のブログを開いた。

このブログも終わりにしなければ……

私は、閉鎖の一言を書き、理由を述べずにブログを閉鎖した。

これで私の盗撮生活に幕が閉じた。

これから、生徒が尊敬する先生を目指すためにもういい度勉強することを決意した。

気が付いてみれば、あの学校に入ってから私は道徳の授業をまともにやったことがないことに気づいた。

やるつもりもなかったし、生徒もそれを望んでいなかったからである。

生徒の心がわかる教師になる

そう決意をし、道徳の本を読み続けた。

また、あの学校に戻れる日が来るようにと……

気がつけば、外は雪が降っていた。

「もう……12月か」

私があの学校をやめてから半年がたっていた。

きっと今頃、あの子たちは学力調査の勉強をしているところだろうか。

学校をやめてから私の日常は、大きく変わった。

朝目を覚まし、朝食を取り図書館や本屋へ行って教師についての勉強をする。

そのあと週に1度父の仕事の手伝いやカウンセラーを受けたりしている。

だるかった8時間労働も今思えば、懐かしいものだる。

―――人間の気持ちは簡単には変わらない

いつか、光に言われたことを思い出す。

そうかもしれないと思っていたが、変わることはできるのかもしれない。

あと3か月……頑張れば、あの学校に復帰できるかもしれない。

そして、また3年生になったあの子たちの担任になることを心から願っていた。
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