盗撮教師日記
そのことを生徒に言わなければならない。

そう思い私は学校に戻った。

「先生!!お帰りなさい」

そう技術室から1人の生徒が声を掛けてきた。

私は、少し苦笑いをしながら一言言った。

「ただいま」

この生徒は、1年生の頃に私に反抗してきた生徒だ。

反抗してきたときは、本当に嫌いだった。

でも、最近では反抗してこなくなったのでまだましになった。

そして、私は部活に顔をだした。

「集合!!」

部長の声と共に部員が私の前に来て、あいさつをした。

「お願いします!!」

そういわれて、私は中体連のプリントを生徒に渡した。

「中体連について、お話します。今回の中体連の団体戦ははっきり言って、勝てる相手ではありません。前年度の優勝校。そして、今回優勝するだろうと推定されている学校が私達と同じリーグにいます」

そういうと生徒はざわついた。

「ですから、これからも一生懸命練習しなさい。私たちの学校は、市で一番ランクが下なのです」

そういうと、1人の生徒が声を上げた。

「でも、どうせ負けるし……」

その言葉を聴いた瞬間私はその生徒を怒った。

彼女が泣くまで怒った。

そんな弱気じゃもう、何もできない。

と私は言った。

そう何も出来ない。

私は、中学生の2回目の団体戦のときにコーチに言われた言葉をまだ覚えていた。

「お前らは、やる気がない。やる気がなければ試合などできぬ!!いいか。やる気を出せ。全てに応じてプラス思考で考えろ。そうすれば、奇跡が起きるはずだ」

こういわれた。

その言葉のおかげでその大会で優勝し県大会に行くことになったのだ。

だから、私はプラス思考に考えようと努力したがやはり無理だった。

だけど、つい生徒にはプラス思考で行けといってしまう自分が嫌いである。
< 8 / 73 >

この作品をシェア

pagetop