人の数だけの恋心
タイトル未編集
生ゴミの生臭さと男の荒々しい息遣い、
次々に乱暴に剥ぎ取られていく衣服。
人生初の恐怖に体が動かなかった。
叫び声をあげたいのに声が出ない
金魚のように口をパカパカさせる私を見下ろ
すようにその男はそこにいた。
今にも壊れそうな本棚に器用に座って、
その男は私の目を覗き込んでいた。
口元に笑みを浮かべて「面白い顔」とぽつり
と呟いた。
雨が止み月が顔を出す。
雫で濡れた銀糸の髪に一重の目、
薄い唇に鎖骨の浮き出た頼りない体。
目が離せない
惹かれてはいけない相手だと直感で分かった。
なのに心はこの男に一瞬で奪われた。
所謂一目惚れというやつだ。
ガッ
何かに突き破られる感覚に目がチカチカした。
存在も知らない薄汚い男が私の上で腰を動か
していた。
痛かった
痛くて痛くて気持ち悪かった
「薄汚い男は己の欲を満たすのに精一杯で銀糸の男にこれっぽちも気づいていなかった。」
クヒヒヒ
いきなりのナレーションを不気味な笑い声と
共に少し滑舌の悪い声で言い放った。
グチュリ
生暖かい何かが飛び散った。
薄汚い男がゆっくり倒れこむのを横に蹴飛ば
し、その上に銀糸の男が跨る。
グチュリ グチュ ゔぁ グチャ
あまり心地よくない水音に男の苦しげな嗚咽
耳を塞ぎたいのに腕が動かない。
隣の狂気に縛られているみたいだ。
ヌチュ ぅゔぁぁぁぁああああ グッチャ
一際大きい男の悲鳴と水音
「つまらないやつだな」
銀糸の男はそういうと今度は私の上に跨った。
「ぁ、ぅ、ぁ、はっぁ」
解れ解れの嗚咽が漏れた。
「なんだ、声出るのか」
銀糸の男の手が私の体を這いずり回る
「 ぅん 、 ぁ、ゃ 」
厭らしい声が漏れ出て顔が熱くなる。
手の動きが止まる
少し間
目を少し見開いたかと思えばすぐに細め、口
元はぽっかり空いた半月のような笑みを浮か
べ、手を再び動かし、私の上に覆い被さる。
視界の向こう側で白いお月様が私を見ていた。
【終演】
『 いきなりの下衆な始まりにお詫び申し上
げます。 』
1人目の女の子の恋は如何でしたでしょうか?
共感できませんでしたか?
おや、そこのあなたは共感できたのですね
狂気に好かれているのかもしれませんね
次々に乱暴に剥ぎ取られていく衣服。
人生初の恐怖に体が動かなかった。
叫び声をあげたいのに声が出ない
金魚のように口をパカパカさせる私を見下ろ
すようにその男はそこにいた。
今にも壊れそうな本棚に器用に座って、
その男は私の目を覗き込んでいた。
口元に笑みを浮かべて「面白い顔」とぽつり
と呟いた。
雨が止み月が顔を出す。
雫で濡れた銀糸の髪に一重の目、
薄い唇に鎖骨の浮き出た頼りない体。
目が離せない
惹かれてはいけない相手だと直感で分かった。
なのに心はこの男に一瞬で奪われた。
所謂一目惚れというやつだ。
ガッ
何かに突き破られる感覚に目がチカチカした。
存在も知らない薄汚い男が私の上で腰を動か
していた。
痛かった
痛くて痛くて気持ち悪かった
「薄汚い男は己の欲を満たすのに精一杯で銀糸の男にこれっぽちも気づいていなかった。」
クヒヒヒ
いきなりのナレーションを不気味な笑い声と
共に少し滑舌の悪い声で言い放った。
グチュリ
生暖かい何かが飛び散った。
薄汚い男がゆっくり倒れこむのを横に蹴飛ば
し、その上に銀糸の男が跨る。
グチュリ グチュ ゔぁ グチャ
あまり心地よくない水音に男の苦しげな嗚咽
耳を塞ぎたいのに腕が動かない。
隣の狂気に縛られているみたいだ。
ヌチュ ぅゔぁぁぁぁああああ グッチャ
一際大きい男の悲鳴と水音
「つまらないやつだな」
銀糸の男はそういうと今度は私の上に跨った。
「ぁ、ぅ、ぁ、はっぁ」
解れ解れの嗚咽が漏れた。
「なんだ、声出るのか」
銀糸の男の手が私の体を這いずり回る
「 ぅん 、 ぁ、ゃ 」
厭らしい声が漏れ出て顔が熱くなる。
手の動きが止まる
少し間
目を少し見開いたかと思えばすぐに細め、口
元はぽっかり空いた半月のような笑みを浮か
べ、手を再び動かし、私の上に覆い被さる。
視界の向こう側で白いお月様が私を見ていた。
【終演】
『 いきなりの下衆な始まりにお詫び申し上
げます。 』
1人目の女の子の恋は如何でしたでしょうか?
共感できませんでしたか?
おや、そこのあなたは共感できたのですね
狂気に好かれているのかもしれませんね
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