海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
ほんの少しでも幸せを感じる事が出来た後は、嫌な事ばかりを考えずに前向きな気持ちを保てて、ワープロの練習にも集中する事が出来た。


私は相葉先生の勧めもあって、前回同様、検定の時には自宅のワープロを使う事にした。


以前の検定の事を思えば、先輩達の目が気にならない訳じゃない。


それでも、自分の為にベストを尽くしたいと思ったし、


相葉先生の「おめでとう」っていう言葉と笑顔が欲しいと思ったから、


私はひるまない道を選んだんだ。



ワープロの練習が必要な時期だったけれど、私にはもう一つ気になっている事があった。


それは相葉先生の誕生日…。


『何をプレゼントしよう。』


そんな気持ちでソワソワしていた。


12月はクリスマスがあるせいか、雑誌を見ていると


“プレゼントされたいものランキング!”

とか…

“プレゼントにピッタリなアイテム!”


…という特集が沢山載っていて参考にはなるのだけれど、結局、色々有りすぎて何を渡そうか考えがまとまらずにいた。


実際、雑誌に載っている物を何でも買える程のおこづかいも無く、厳しい校則のおかげでバイトだって出来ない。


「んー…」


私は開いていた雑誌を閉じて、ベッドに潜り込むと、


『まずは明日、買い物にでも行ってみよう…。』


そんな風に、相葉先生が喜んでくれそうな物を思い浮かべながら眠りについた。
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