海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
【第2章】
恋心
次の日の放課後も、またいつものようにある場所のドアを叩いた。
「相葉先生?」
コンコンッとノックをしてからドアを開けると、
「おぉー?」
相葉先生は椅子に座ったまま、少し後ろに反るように振り返った。
既に日課のようになってきた、私のパソコン準備室訪問。
何度目かなんて、とっくに分からない。
「どうした?」
先生にそう聞かれただけで、私はドキドキしていた。
その時のドキドキには、相葉先生が目の前にいるっていう事と
本当は全然用事なんて無いのに…っていう、ハラハラ感が混じっていた。
「先生、ここがよく分かんなくて…。」
そう言って、相葉先生に簿記のワークブックを差し出すと、
「ここは…」
と、相葉先生が一生懸命に説明を始めた。
それが先生の仕事だから当たり前なんだけど、
『私に対するそれは、他の人にするのとは違う。』
そう思いたかった。
少しでも特別になりたいっていう事が、ささやかな私の願いだったから。
「…先生、ありがとう!分かりました。」
私は笑顔でお礼を言うと、
「ねぇ、先生って甘いものとか好き?」
と、どさくさ紛れにリサーチを開始する。
「甘いもの?んー…まぁ、食べるかな。」
たばこを1本取り出しながら、相葉先生が答えた。
それを見て、
『吸ってるたばこはセブンスター。』
そんな情報も密かに頭の中にインプットしていた。
「相葉先生?」
コンコンッとノックをしてからドアを開けると、
「おぉー?」
相葉先生は椅子に座ったまま、少し後ろに反るように振り返った。
既に日課のようになってきた、私のパソコン準備室訪問。
何度目かなんて、とっくに分からない。
「どうした?」
先生にそう聞かれただけで、私はドキドキしていた。
その時のドキドキには、相葉先生が目の前にいるっていう事と
本当は全然用事なんて無いのに…っていう、ハラハラ感が混じっていた。
「先生、ここがよく分かんなくて…。」
そう言って、相葉先生に簿記のワークブックを差し出すと、
「ここは…」
と、相葉先生が一生懸命に説明を始めた。
それが先生の仕事だから当たり前なんだけど、
『私に対するそれは、他の人にするのとは違う。』
そう思いたかった。
少しでも特別になりたいっていう事が、ささやかな私の願いだったから。
「…先生、ありがとう!分かりました。」
私は笑顔でお礼を言うと、
「ねぇ、先生って甘いものとか好き?」
と、どさくさ紛れにリサーチを開始する。
「甘いもの?んー…まぁ、食べるかな。」
たばこを1本取り出しながら、相葉先生が答えた。
それを見て、
『吸ってるたばこはセブンスター。』
そんな情報も密かに頭の中にインプットしていた。