海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
瑞穂も梢も一緒にいてとても居心地が良くて、本当にいい友達だなって思う。

一生懸命相談にのってくれたり、心配したり、励ましてくれたりするけれど、余計な事を無理やり聞き出そうとはしない。


そういう事を、お互いに自然とし合う事が出来ているように思う。


『二人に出会えて本当に良かった。』


私は心からそう思っていた。



「けど、前まではあんまり好きじゃなかったよねぇ?」

瑞穂が思い出したように言った。


その質問に私が答える前に、

「こういう事もあるんだね。」

と、梢が私を見ながら言った。


いたずらっぽく笑う二人に、

「ほんと、何が起こるか分からないね。」

私はそう言って、ふふっと笑った。


見上げた先には、薄いオレンジっぽく光る空が広がっている。


少しだけ眩しく感じた。


“何が起こるか分からない”


だからこそ恋愛は楽しくて、難しいのかもしれない。



「教師と生徒かぁ。難しそうだけど頑張って!!」


二人はそう言って励ましてくれた。



教師と生徒という大きな壁。


年齢差12歳という、私の幼さ。


それに…


私が気付いていない障害が、まだまだ沢山あるんだろうなって思う…。



「ありがとう。頑張るよ。」


そんな見えない不安を抱いたまま、少しだけ照れながら私は頷いた。
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