海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
――――
―――――…

退屈な冬休みが終わり、学校が始まった。


始業式から数日経っても、就職試験の正式な結果が来ていなかった。



「先生、私の就職試験の結果ってどうなんですか?」


返事がもらえないままになっている事がとても不安で、就職担当である学年主任の先生に聞いてみた。


先生も、


「そうなんだよなぁ。まだ返事が来ないんだよなぁ…。ちょっと電話して聞いてみるから、もう少し待っててくれ。」


そう言われて、私はしばし待つ事になった。


けど、その後も、


「人事担当の人がいつもいなくて、まだ返事が聞けないんだ。ごめんな。分かったらすぐに教えるから。」


そう言われて更に待つ事に。


その間も、私の後に就職試験を受けた生徒達の採用の結果が次々と出ていて、ますます不安になった。



もう一つの不安になっていた、私が相葉先生にプレゼントしたネクタイ。


3学期が始まっても、それを身に着けている相葉先生の姿を見る事が出来なかった。


それはとても残念な事だったけれど『仕方がない』と、いい加減、諦める事にした。


それよりも、


学校生活の残り日数はどんどん減っているのに、相葉先生と話す時間がない事に寂しさを感じていた。


私は相変わらず習い事を続けていたし、相葉先生も部活だとかで色々と慌しそうだ。



無駄に時間ばかりが過ぎていたような気がしてならなかった。



『全く良い事がない。』


そんな感じの年明けだった。



そして…


それから1週間ほど経ったある日。




「河原さくさん、職員室まで来て下さい。」


学年主任の先生から、校内放送で呼び出しがあった。
< 199 / 446 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop