海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
「でも、ここでもすごい人気があるし、彼女がいるかもしれないし!好きになったところで、どうにもならない可能性は高いけどね。」


私が思いついたように言うと、


「まぁねぇ…。」


瑞穂も肩をすくめて笑った。



ちょうどその時、


「さくちゃん、瑞穂、お疲れー。」


そう言って、同じ高校だった友達が数人、待合室に入ってきた。


「もう終わったの?先生誰だったのー?」


質問しながら私達の前にあるソファに座り込んだ友達は、


「私はとっちゃん。」


そう答えた瑞穂には「ふーん」っていう感じだったのに、


「青山先生。」


私がそう答えると、


「えーっ!いいなぁ!私も青山先生がいい!私なんて…。」


そう言って、青山先生ではない事を、しかも、とても厳しいと評判の先生にあたっている事を悔やみ始めた。


そんな様子を見ていた瑞穂と目が合い、ほんの少しだけ肩をすくめて笑った。


“やっぱり青山先生ファンは多いらしい”


私も瑞穂も、改めて感じた瞬間だった。
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