海に降る恋 〜先生と私のｷｾｷ〜

私達は少し早めに行き、学校の駐車場に車を停めて、先生方が実習から戻ってくるのを待っていた。


次々と先生方が教習用の車に乗って戻ってくる。


その中に、私達がお世話になった先生がいる事を確認して車を降りた。



まず最初に見つけたのは、とっちゃんだった。


「先生！」


そう言って、とっちゃんの傍に駆け寄った。


「おぉー！」


突然現れた私達に驚くとっちゃんに、


「本試験、合格しました。ありがとうございました。」


二人揃って、ペコリと礼をした。


「そうかー、良かったなぁ。免許証見せてみろ。」


嬉しそうなとっちゃんに、私達は免許証を差し出した。



写真写りがおかしくなったとか、試験の時はどうだったとか、


色んな話をしている内に他の先生方も傍に寄ってきたので、次々とお礼を言った。



その場を一人、また一人と先生方が去って行く中、少し離れた所に青山先生がいる事に気付いた。


私は、


「本当にお世話になりました。」

と、そこにいた先生方にもう一度頭を下げてその場を離れると、青山先生の所に駆け寄った。


「青山先生！」


私に背を向けてトコトコ歩いていた青山先生を後ろから呼び止めると、驚いた表情で振り返った。


「そこにいたの、河原さん達だったのかぁ！」

そう言って、青山先生は笑顔で立ち止まってくれた。



「先生、無事に合格できました。ありがとうございました。」

私は青山先生の正面に立って頭を下げると、


「そっかぁ、良かったな。今日はどうやってここに来たの？」

と、訊ねられて



「私の車で来たんです。」

そう言って、私は自分の車が停まっている場所を指さした。



「早速車で来たの！！どんな車？見せて。｣


青山先生の言葉を聞いて、チラッと瑞穂の方を見ると、瑞穂はまだ他の先生と話している。


なので、青山先生と二人で私の車の方へ行く事にした。