海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
私の車を駐車していた青山先生の自宅前から、道路にゆっくり移動させると、
青山先生が慌てた様子で近付いてきたので、運転席側のウィンドウを開けた。
「今度は20時半にあそこで待ってて!」
そう言って、青山先生は近くにある施設の駐車場を指さした。
青山先生が指し示す場所を確認して、
「はい、分かりました。」
そう、私が頷くと、
「じゃあまた来週。気を付けてね!」
私が理解した事を察した青山先生が、そう言って車から離れたので、
私は最後に一度だけ頷いてから、笑顔で手を振った。
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
青山先生も私に応えるかのように白い歯を覗かせた笑顔を浮かべて手を振り返してくれたのを最後に、私は車を発進させた。
バックミラー越しに、どんどん小さくなる青山先生の姿が見えた。
青山先生との初めてのデート。
そのデートが終わった。
バックミラーから青山先生の姿が完全に見えなくなり、車の中で一人になった時、
青山先生と過ごす時間が終わった事を少しだけ寂しく感じたけれど、
どっと体の力が抜けていくような感じがしたのも事実だった。
『疲れたなぁ。』
そんな感じだった。
“なぜ、そう感じたのか―…”
その理由は、
“好きになれそうな人と二人きりで、緊張したから”
そうだと思っていた。
その証拠に、
『私は青山先生の事を好きになり始めている』
『これからもっと好きになる』
そう思っていた。
思い込もうとしていたんだ。
意識的に自分の本心から目を背けていたのだから。
心の中では何度も、何度も、相葉先生の事を思い出していた事を、抹消する為に―…
青山先生が慌てた様子で近付いてきたので、運転席側のウィンドウを開けた。
「今度は20時半にあそこで待ってて!」
そう言って、青山先生は近くにある施設の駐車場を指さした。
青山先生が指し示す場所を確認して、
「はい、分かりました。」
そう、私が頷くと、
「じゃあまた来週。気を付けてね!」
私が理解した事を察した青山先生が、そう言って車から離れたので、
私は最後に一度だけ頷いてから、笑顔で手を振った。
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
青山先生も私に応えるかのように白い歯を覗かせた笑顔を浮かべて手を振り返してくれたのを最後に、私は車を発進させた。
バックミラー越しに、どんどん小さくなる青山先生の姿が見えた。
青山先生との初めてのデート。
そのデートが終わった。
バックミラーから青山先生の姿が完全に見えなくなり、車の中で一人になった時、
青山先生と過ごす時間が終わった事を少しだけ寂しく感じたけれど、
どっと体の力が抜けていくような感じがしたのも事実だった。
『疲れたなぁ。』
そんな感じだった。
“なぜ、そう感じたのか―…”
その理由は、
“好きになれそうな人と二人きりで、緊張したから”
そうだと思っていた。
その証拠に、
『私は青山先生の事を好きになり始めている』
『これからもっと好きになる』
そう思っていた。
思い込もうとしていたんだ。
意識的に自分の本心から目を背けていたのだから。
心の中では何度も、何度も、相葉先生の事を思い出していた事を、抹消する為に―…